2.センサーの話

まず計ることが必要

B:
      
機械や装置をうまく動かすということは漠然と”うまく”と思っていたのでは、
どうしようもない。
具体的に目標となる数値をつかむことが
必要だ。電気こたつの場合、快適な温度と
は何度なのか、自動車で快適な速度とは
何キロか、という値が必要だ。
A:

      
でも実際に、こたつの温度が何度か、車の
速度が何キロか、ということは一々考えない
よ。
B:
  
   
  
  
  
  
例が少し悪かったな。これは人間の感じで
大体のことがつかめてしまう。だから逆に
定量的につかまなくても一応差し支えないこ
とになる。だから人間の感じはかなりいいか
げんだ。自動車の運転なら感じでも良いかも
しれないが機械装置の運転ともなれば、もっ
と定量的におさえることが必要だ。
A: そうだろうな。
B:
    
 
ところで、目標になる値が判っていても、今
どうなっているかが判らなければ、手の打ち
ようがない。
  
  
現在の値が判り、それを目標と比較して、一致していないなら、これを目標
値と比較して、一致させるように操作を加えることになる。
A:

  
自動車を運転していて、おそすぎればアクセ
ルをふむし、速すぎればブレーキをかけるとい
うことだね。
B:
  
  
  
    
  
機械装置から、これが運転操作だ。
自動化されていなければ人間が操作する
し、自動化されていなければ自動制御装置
が自動的に運転操作をやってくれる。
いずれの場合もまずセンサーで計れること
が必要だ。

多数のセンサーが必要

A:


  
自動車の場合でも、計器盤にかなりの計
器がついている。まして、大形の装置とも
なれば、ずい分多くのセンサーが必要なの
だろうな。
B:





自動車の場合、速度計がなくとも大よそのこ
とは判る。しかし、タンクの中のガソリンの量
は、センサーで計らなくては判らない。
機械装置では、このような場合がほとんどだ。
大形の装置になると数百、数千のセンサーが
必要だ。
A:
   
本当にそんなに多くのセンサーが要るんだ
ろうか?
B:
  
  
  



  
不要のものを計っても仕方がない。
必要もないのに計っているなら、それは過剰
計装だ。しかし、コストを重視する経済活動の
中で、そんな過剰計装を見逃すはずはない。
やはり必要なのだ。
ただし常時計ることが必要なものとは限ら
ない。正常な運転のときには見る必要はな
いが、何か異常が発生したとき、その異常




  
の原因を調べるためのセンサーもある。
また特殊なデータをとるときだけ必要なも
のもある。これらは一見日常見ていないか
ら、不要のようかもしれないが、やはりなく
てはならないものだ。
A:
  
  
    
たとえばあまり適当でないかも知れないが、
辞書は、日常使わないが、ときに引くことが
あるから、用意しておかなくてはいけないと
いうことだね。

センサーは千差万別

B:

  
ところで、センサーは、実に多種多様だ。
まず第一に、何を計るかという計測の対象、
この種類が多い。
A:


  
日常我々が使っているものだけでもずい分
あるね。まず温度計、長さを測る物差し、目
方を測る秤、時間を計る時計、これらは大抵
の家庭にあるだろう。
B:
  
もっと高級な計器らしい形をしたものもあるは
ずだ。
A:
  
さてと、電圧や抵抗を計るテスターも案外多く
の家にあるかも知れない。
B:
  
テスターは、そんなに普及はしていないよ。
もっと、どこの家にもあるものだよ。
A:   何だろう?判らない。
B:
  
種明かしをすれば簡単だ。電気・ガス・水道
などのメーターだ。
A:   ハハハ、ちょと気がつかなかった。
B:







  
以上で、温度、重量、長さ、流量の4種類だ。
それとテスターを入れれば電圧、電流だ。
これらは工業的にも非常に多く使用されてい
る。そのほか、家庭ではあまり使わないが
工業的には圧力が多い。
その他湿度、濃度、・・・・・・・、と数えはじめ
れば、100位は簡単に数えられる。しかも長
さなら長さ一つとってみても、その長さの中で
の種類が実に多い。
A:

  
普通の物差しのほかに、長いものなら巻尺が
ある。短くて高精度が要求されればノギスを
使う。
B:



  
これが工業的ともなると、長さの値、必要な
制度、さらにはどんな所を計るかということに
よって、実にさまざまなものがある。
まさしくセンサーは千差万別だ。英語のセン
サーの語源は1千差だといわれている。
A:
  
英語の語源が漢字というのは、はじめて聞い
た。珍しい例だね。
B: 今のは冗談だ。
A:

  
うまうまと一杯食わされた。
でもそんな冗談が出る程、センサーには色々
あるということだね。

センサーの選定

B:








  
いずれにしても、千差万別の多くのセンサ
ーの中から使用目的に適したセンサー
を選び出すということは、大変な仕事だ。
しかもセンサーの選定に当たっては、もう
一つ重要な要素として、使用環境がある。
センサーが設置される場所が高温である
とか、湿度が高いとか、そういった条件も
満足されなければならない。
これらのことは計装の対象をよく知らなけ
れば、判らないことだ。
A: もう少し具体的に説明してほしい。
B:







  
たとえば温度計の場合、測定する温度範囲や
必要制度から、どんな種類のセンサーを使え
ばよいかを決めることができる。しかもそれだ
けではすまない。
温度を計る対象はいろいろある。空気中とは
限らない。水中の場合もあろうし、酸やアルカ
リの中のこともあろう。このような所へセンサ
ーを直接浸したら、センサーが溶けてなくなっ
てしまうかも知れない。


  
そこで保護管と称する容器の中に入れて計ることになる。計装の対象を
正しく把握できなければ、保護管にどのような材質のものを使えばよいか
が判らない。



  
厳密には、保護管はセンサーではない。
しかしセンサーと密接なつながりがあるから、
保護管の選定も、センサーの選定とみなして
よい。
A:
  
いずれにしても、センサーの選定は難しい仕
事だね。

センサーと計装工事

B:

  
センサーは、所定の所に所定の方法で取付
けなければならない。したがって直接計装工
事の対象でもある。
A:

 
ということは、センサーの選定は、計装の仕
事だが、計装工事の範囲ではないということ
だね。
B:




    
ウーン! これは難しい質問だ。
たしかに計装工事というのをせまくとらえるな
らば、そうなるだろう。逆に計装工事の一部
にセンサーの選定が含まれるとも言えなくも
ないだろう。お互いに密接に関連し合ってい
るというところかな。
A:



   
電気工事において、モーターの選定は、
その結果が電気工事に影響はするが、
電気工事の難易がモーターの選定に影響
することはないと思う。計装の場合はその
ようなことがあるということなのかな。
B:


  
そうだ。流量計を例にとってみよう。パイプラ
インの中を流れる流量を計る代表的なセン
サーとして、面積式とオリフィス式という二つ
の機種がある。
A: どんなものかね。
B:


















  
少し専門的になりすぎるので説明は省略
する。計装工事との関連だけを説明しよう。
面積式は単に配管中に取付ければそれで
よい。これに対して、オリフィス式は、導圧
配管と呼ばれる計装配管工事を必要と
する。
ところで、パイプラインの中は、計装の対
象によって、いろいろなものが流れている。
温度計のとき話が出たように、腐食性の
極めて高いものもある。そのほかに中を
流れているものが、きれいか、きたないか
ということがある。あまり汚れがはげしい
と面積式でもうまく動かなくなってしまう。
しかしどちらかというと汚れには強い。
これに対して、オリフィス式の場合、パイプ
ラインの汚れが、導圧配管の中にたまっ
て、つまりを起こしてしまう。導圧配管は
文字どうり圧力を伝える配管だ。
それがつまったのでは圧力が伝わらなく
なってしまう。
A:
  
したがって、計装工事と、センサーの選定と
か密接に結びついているということだね。
B:

  
汚れがひどいときは、どうやってもだめだ
が、わずかの汚れなら、導圧配管のやり
方で、うまく逃げることもできる。
A:

  
ずい分微妙なものだね。計装工事がそんな
に細心の注意が必要だたとは夢にも思って
いなかった。認識を新たにしたよ。
B:
  
これは流量におけるほんの一例だ。計装工
事では、この位のことはざらにある。